北茨城市は海・川・山が身近なまちです。住まいを探すときは、価格や駅までの距離と一緒に、洪水、内水、土砂災害、津波などを住所単位で確認しておく必要があります。
市は2026年5月に「北茨城市防災ハンドブック」を公開し、Web版ハザードマップ、災害別の地図、避難所一覧、備蓄・持出品などをまとめています。
先に結論:Web版・防災ハンドブック・実績図を使い分ける
北茨城市の防災情報は、主に次の3種類を使います。
| 資料 | 何が分かるか | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| Web版ハザードマップ | 住所周辺の各種ハザード | 候補物件を住所単位で確認する |
| 2026防災ハンドブック | 地図、災害の特徴、備え、避難所 | 家族の防災計画をまとめる |
| 冠水・浸水防災マップ | 2023年台風13号で通報された被害箇所 | 過去の冠水・道路状況を確認する |
Web版をスマートフォンやタブレットで見る場合、市は画面を縦向きにして自動回転をオフにすることを推奨しています。大きな地図で凡例を読むときは、パソコンやダウンロード版も併用すると確認しやすくなります。
北茨城市で重ねて確認したい4種類
洪水:川があふれる想定
洪水ハザードマップでは、河川の氾濫で想定される浸水区域や深さを見ます。茨城県は北茨城市に関係する四時川、里根川・関山川・境川・八反川、江戸上川・鹿の沢川、大北川、花園川、根古屋川、木皿川、塩田川・大沢川などの洪水浸水想定区域図を公開しています。
候補住所に色が付いているかだけでなく、想定浸水深、建物の階数、避難先までの経路を確認します。川から離れて見える場所でも、支流や地形の影響があるため住所検索で確かめてください。
内水:排水しきれない雨水による浸水
内水は、大雨で下水道や水路などの排水能力を超え、雨水が地表にあふれる現象です。河川洪水とは仕組みが異なるため、洪水の地図だけでなく内水ハザードマップも確認します。
北茨城市の防災ハンドブックには2025年3月版の内水ハザードマップが掲載されています。敷地への入口、駐車場、前面道路が周囲より低くないかは現地でも見ます。
土砂災害:建物だけでなく経路も見る
山や崖に近い地域では、土砂災害警戒区域などを確認します。自宅が区域外でも、避難所へ向かう道路や日常の通勤・通学路が斜面沿いを通る場合があります。
地図を見た後は、斜面との距離、擁壁、水の流れ、落石や倒木の可能性を現地で確認します。建物や土地の安全性を地図だけで判定せず、不明点は市や専門家へ相談してください。
津波:海からの距離だけで決めない
市は北部・南部に分けた津波ハザードマップを公開しています。津波は海岸からの直線距離だけでなく、標高、川沿いの地形、避難方向と所要時間を含めて考えます。
津波の避難先と洪水・土砂災害時の避難先が同じとは限りません。防災ハンドブックの避難所等一覧で、災害の種類ごとの利用可否や注意事項を確認してください。
「想定図」と「冠水実績図」は意味が違う
ハザードマップは一定条件に基づく将来の被害想定です。一方、北茨城市の冠水・浸水防災マップは、2023年9月の台風13号による大雨で、床上・床下浸水や道路冠水の通報があった箇所をもとにした実績図です。
市は、実績図に表示されていない場所でも被害が発生していたおそれがあると注意しています。そのため、次のように使い分けます。
- ハザードマップで、想定される災害の種類と程度を見る
- 冠水実績図で、過去に通報された浸水・道路冠水を見る
- 現地で、土地の高低差、側溝、川、水路、避難経路を見る
- 不動産会社や近隣へ、敷地・道路の過去の状況を確認する
どちらか一方に色や記録がないことだけを理由に、安全だと判断しないことが大切です。
物件探しで確認する順番
- 候補物件の正確な住所と敷地範囲を確認する
- Web版で洪水、内水、土砂災害、津波を一種類ずつ見る
- 凡例から浸水深や区域の区分を読む
- 冠水実績図で周辺道路を含めて確認する
- 災害別に第一・第二の避難先を決める
- 避難経路を昼と夜に実際に歩く
- 建物の対策、保険、備蓄を家族条件に合わせて検討する
物件そのものだけでなく、車を置く場所、駅や学校までの道、橋、低い道路が使えなくなった場合の代替経路も確認しましょう。
避難所を確認するときの注意点
一番近い施設が、すべての災害で利用できるとは限りません。災害時に実際に開設される避難所も、そのときの市の情報で確認します。
高齢者、乳幼児、障害のある人、ペットがいる家庭では、準備と移動にかかる時間が変わります。家族が日中に別々の場所にいる場合も想定し、連絡方法と集合場所を決めてください。
よくある質問
ハザードマップに色がなければ安全ですか?
安全を保証するものではありません。想定を超える災害や局地的な冠水もあり得るため、周辺地形、過去の実績、避難経路まで確認します。
冠水実績図に記録がなければ、過去に浸水していませんか?
そうとは限りません。市は、掲載地点以外にも被害が発生していたおそれがあると説明しています。実績図は通報をもとにした参考情報として使います。
最新の避難情報はハザードマップで分かりますか?
ハザードマップは平常時の準備に使う資料です。災害が迫っているときは、北茨城市、気象庁、茨城県などが発表する最新情報を確認してください。
北茨城市の空き家バンクの使い方も、物件検討時の確認に利用できます。